ジンギスカンの歴史は浅く、本格的に食べられ始めてまだ40年程しか経っていません。さらにワイルドな野外料理といった性格が強いため、正式な食べ方なんてものは存在しないといっても過言ではありません。人それぞれ、各家庭によってその食べ方、レシピも様々なはずです。ここで紹介したのは、あくまでもこんなふうに食べるとおいしいし楽しいよ、という程度の極私的な食べ方の一例です。
1. 用意する材料は、ラムまたはマトンの生肉。成人男性のジンギス好き一人あたり300gくらいが目安。肉と一緒に、大きめの牛脂をもらっておく。
野菜はタマネギ、もやし、ニラ、ピーマン。好みによりしいたけ、キャベツ、カボチャ、ニンジンなどを入れてもよし。ただし、カボチャ、ニンジンは前もって電子レンジなどで熱を通しておくこと。たれはベーシックにベルのたれ、そしておろしにんにく。また、できればごま塩だけで握ったおにぎりを用意したい。
2. 屋外であれば七輪、屋内ならカセットコンロをセッティング。なべはジンギスカンなべ。屋外で七輪の場合、溝に穴の空いたタイプのジンなべが理想的だ。
3. なべを火に掛け、大きめの牛脂をなべ頂部に乗せる。あぶらがなべ全体にわたるように箸でぐりぐり。牛脂が入手できなかった場合はサラダ油で代用。ちなみにこの時ごま油を使うと、まったりとした味わいが楽しめるという。そしてなべが充分に熱したところでまず、肉を投入。
ちなみにこの際のジュ〜ッ! という最初の音を「しあわせの音」と呼び、我々がジンギスカンをやる際のもっとも重要な、儀式的な一瞬である。肉の投入が早過ぎるなどして充分な「しあわせの音」が発生しなかった場合、肉を投入した者は皆から白い目でにらまれることになる。
4. 続いて野菜を投入。なべのヘリの油だまり部分に集中的に配置。その頃最初に投入した肉が焼け上がるので周りのメンバーをけん制しつつパクリ! う〜ん、うまい!
牛と同じく多少赤い部分があっても大丈夫ということだが、牛と違って一応まんべんなく火が通った方がよりおいしい気がする。羊のかほりがするというか。でも焼きすぎると硬くなるので赤味が消えた時点ですぐに食すことが肝要。
5. そろそろなべの熱も高くなっているので、第2陣の肉をどしどしと投入。肉の焼き方について、野菜の上に乗せて蒸し焼き風にする間接焼きを作法とする向きもあるが、生肉の場合は迷わずじか焼きにしたい。強火で肉の表面を焼くことによって、肉汁を閉じこめ、うまみを逃さずに頂くことができる。確かに間接焼きは肉がなべにひっつかずにすむが、肉には焦げ目がつかないし、火加減によっては肉が硬くなってしまうこともある。ただ、凍ったままのロール肉などを焼くときは、間接焼きにしないと水分が蒸発してパサパサになってしまうので、そういった肉を出す店ではそれが是とされてきたのだろう。しかし自宅で食すときは冷凍肉もきちんと解凍してから焼くようにし、その場合はもちろんじか焼きが基本だ。
6. 野菜と第2陣の肉が片づいた頃にはジンギスに対する飢餓感もだいぶ薄れてきているので、余裕をもっておにぎりなどにも手をのばしつつ談笑に入る。ジョッキのビールが底をついているようなら、ビールビールと叫びつつ他のメンバーが肉を食うのを邪魔して注いでもらい、幸せ度合いを深めていく……。
ただ、この頃なべのヘリは牛脂の油が溜まってきているのでもやしなどが焦げないように注意。うまく事が運ぶと、ここの野菜は油によって唐揚げ風になっているので大変おいしくいただけるのだが、うっかりしているともやしをはじめ野菜が焦げまくって大変なことになってしまうのだ。
7. ちなみに焼き終わったあとのジンなべの処理だが、野外の場合迷わずそのまま空焼き。残った肉や野菜も炭化するまで焼く。充分に空焼きしたら、上から水をボール1杯ほどかける。完璧に炭化した具は、溝に沿って湾曲して浮いてくるので、水洗いでそれらを流す。こびりついているのは、焼きが足りないからだ。こげの取れたなべは再び空焼きし、錆び防止のためサラダ油を薄くのばしてから陰干し。なべにしみこんだ油を大事にするため、洗剤で洗うのは御法度である。
究極のジンなべメンテ
テクニック
ここでは、北海道は静内出身のCOCO田中さん直伝のジンなべメンテナンステクニックを紹介したい。
まず、マイなべを手にしたその日には大事な儀式「初焼き」を行うという。もちろんこれはジンギスカンの霊を鎮めるためではなく、あとあとのメンテを楽にするための下準備のようなものだ。使い古したジンなべもリフレッシュ出来るとのことなので、マイなべをお持ちの方はぜひチャレンジしていただきたい。やり方は次のようなものだ。
1.ジンなべを空焼きする。(煙がモウモウ出るくらい)
2.火を止めて、サラダ油を塗る(溝の奥まで丹念に塗る。危険だが熱いうちにやるのが大事。)
3.1晩冷まして、1日陰干しする。
これだけで深く油が浸透して、なべのこびりつきが激減するという。しあわせの音もバッチリということなので、ぜひ当倶楽部のジンなべでも実施してみたいと思う。我慢しきれず、つい肉を乗せてしまいそうな気もするが……。
新たな味の発見、なみかたオリジナル「義経焼」
ジンギスカンの新しい一派とも言える料理が「義経焼」だ。一言でいうなら、みそ味ジンギスカン。山形の羊肉専門店「なみかた」(通販案内ページ参照)のオリジナル料理なのだが、ジンギスカンの新しい楽しみ方を提案するという姿勢を、当倶楽部では高く評価したい。
味付けジンギスカンの一種とも言えるが、みそだれと合わせるのは焼く直前で、漬け込んであるわけではない。そのみそだれは、合わせ味噌ベースでなにか調味料がブレンドされている感じだ。肉と混ぜ合わせてからなべに広げてさっと焼く。たれにはつけず、そのまま食す。みその風味が羊のうまみと一緒になって独特の味わいを生み出す料理だ。けっこうしょっぱいので、キャベツをはじめとする野菜を焼き、一緒に食べるといい。野菜をいっぱい食べられるというのも「義経焼」の売りの一つ。ごはんのおかずにも合いそうだ。
今までのジンギスカンに飽きた人にはぜひチャレンジしてみて欲しい、新しい羊の食べ方である。もっとも、食べたいと思えば「なみかた」に注文するしか方法はない。みそだれのレシピが分かれば自作できるかもしれないが、そこは企業秘密に違いないので、ここはオリジナル料理法を開発した「なみかた」に敬意を表して注文しよう。国産生ラム、輸入生ラム、冷凍ラムの3タイプがチョイスできる。
【用意するもの】
ニンニク、しょうがを各一かけ
玉ねぎ1/2個
醤油1カップ
サラダ油1/4カップ
ごま油を少々
白すりごま大さじ1
りんご(紅玉系か青りんご)1個
味の素、砂糖または味醂と酒の煮切り。
【作り方】
にんにく、しょうが、玉ねぎ、りんごはおろして醤油にまぜ、サラダ油、ごま油、白すりごまを投入。
味の素などはお好みで加える。また、コショウや唐辛子、カレーパウダー、タバスコ、チリペッパーなど
いろいろな調味料を加えてみて自分だけのジンたれを追求してみるのもいいだろう。
こうしてオリジナルジンたれの出来上がりだが、日持ちがしないので、一回で使い切るようにしよう。
東京生まれで札幌在住8年になるG・GAPさんから寄せられたレシピ。
一番美味しいタレと私が感じたタレのレシピをご紹介します。
それは「札幌ジンギスカン」の店長に教えてもらったもので、
店長は「別にそんなの企業秘密でもないから」と言っていたので、別にかまわないでしょう♪
(材料)大体500cc分(結構適当です♪)
・タマネギ:一個
・ニンニク:2〜3粒 ※好みに応じて加減して
・ショウガ:ニンニクと同量かそれより多めに
・リンゴ :半分
・レモン :一個
・しょうゆ:適量 ※これが塩味の基本ですから味を見ながら
・白ワイン:適量 ※これで味の濃さを調節
・シナモン:粉状のもの ※風味の決め手!加減しながら
上記の野菜等を下ろし金でスリ、レモンは搾って下さい。そこに醤油とワインを味をみながら入れていきます。
よく混ぜて、最後にシナモンを振ります。これによって何の変哲もないタレが劇的に変化します。
でも、過ぎ足るはなんとやら、くれぐれも量に気を付けてやって下さい。最後によく混ぜて完成です。
HAKO-LAさんから寄せられた父上直伝のレシピ。
★月寒流★ ジン・タレ・レシピ 羊肉2Kg分(約5人前)
材料 醤油 3合
砂糖 190g
青ネギ 5本分のオロシ汁
リンゴ 3〜4個分の絞り汁(大きいサイズなら3個)
日本酒 1合
ユズ 1個分の絞り汁
生姜 大1個分の絞り汁
ニンニク 1〜2片の絞り汁(好みで加減)
味の素 少々
唐辛子 少々
薬味用 パセリ、ネギの微塵切りを好みで…
作り方 1、醤油3合に砂糖190gを加えて火にかけ、醤油の匂いを取る。この時、絶対に煮立たせないように!!
2、次に、ネギ5本分の絞り汁、リンゴ3〜4個分の絞り汁、日本酒1合を加え煮立たないようにさらに煮込む。
3、さらにユズ1個の絞り汁、生姜1個の絞り汁と味の素、唐辛子少々を加え、弱火にする。
4、最後にニンニク1〜2片の絞り汁を加え、火から下ろす。
5、あら熱を取ったら、ガ−ゼで濾し、容器に移す。
注意点 1、タレを作っている間、経に撹拌し、絶対に沸騰させてはいけない。
2、絶対に水を加えない(各摩り下ろしにも)。リンゴ汁が水のかわりになる。
3、ネギの絞り汁は、微塵切りをすり鉢で擦ってから絞りとるが、すり鉢が無い場合は、微塵切りをガ−ゼに包んで絞り、
最後にガ−ゼごと煮こんでも可。
4、ユズが手に入らなければ、早生ミカンやレモンで代用しても可。
5、ニンニクは火から下ろす直前の最後に加える。
6、冷蔵庫で1週間程度はもつが、風味が落ちるので使いきりを推奨。
使い方 1、半分程を漬けダレとして肉にからませて焼く。
2、焼きすぎは厳禁!片面を焼いたら、裏は炙る程度で十分美味い。
3、付けタレは、このままで良いが、ネギやパセリの微塵切りを加えても美味。
ジンギスカン印さんから寄せられたレシピ。
シンプルなたれをご紹介します。作業時間は2時間ぐらいです。
まず用意するもの
醤油カップ2杯
みりんカップ2杯
100%オレンジュースカップ8杯
にんにく1個
しょうが10cmぐらいのところ1本
ザラメ80g
30年前は100%オレンジジュースのかわりトリスコンクジュースで出来たのですが、最近は1部カクテル関係の酒屋ではコンクジュースをおいてるそうですが、僕は100%のポンジュースを使います。
まずなべは2つ用意してください
大きいほうに醤油、みりん、100%オレンジュースをカップで2杯づつ入れて弱火にかけます、およそ1時間です。
その間、残りのオレンジジュースをカップ6杯にザラメを入れて約半分以下になるまで煮詰め濃縮させますカップ2.5杯ぐらいです。
沸騰させると、ふきこぼれますから、あくまでも弱火です。
煮詰めている間に、しょうが、にんにくをおろして、醤油の方のなべに入れます。
醤油のほうは火にかけてから40分ぐらいで一度火を止めます。
オレンジジュースが煮詰まったら、醤油なべに合わせます。
後は弱火で40分から1時間です。
最終段階まで味を見ないことも大事です。
見すぎるとたれの場合味がわからなくなります。
40分でさらさらのジンギスカンのたれができます、1時間やるとやや濃くなりステーキのたれでもいけます。
たれの濃さは好みで見てください。僕はさらにいりゴマをすって100gぐらい入れてます。
ジンギスカンのたれにはゴマは入れないかもしれませんがゴマの油がいいのかもしれません。
さて、完成してもその日は食べません、さめてから漏斗で醤油とかみりんの空き瓶にもどし冷蔵庫で1日熟成させます。水分は入れてないので、日持ちは大丈夫です。
オレンジのコンクがポイントだと思います。
ひつじ大好きさんから寄せられたひつじに合うつけダレの作り方
厚切りはもちろん、薄切りのロールマトンにもあうつけダレの作り方です。
市販品にちょっと手を加えるだけですが、かなりイケると思います。
1:日本酒を沸かし、火を入れてアルコールを飛ばします。
2:同量の「エバラ黄金の味 中辛」を加え、かき混ぜながら加熱します。
3:沸騰し始めたら、すぐ火を止めて 冷ましてできあがり。
熱いままでも合いますが、少し冷ました方が味が落ち着いてまろやかな口当たりになります。