ついに本懐を遂げて金太郎制覇 2000年6月

 新橋烏森口の宝くじ売り場には、3億円の夢を求めて我先に買おうとする人々の群れ、また群れ。
 その欲の中にたたずむ男達3人。会長、最高顧問、そして総裁。
 東京ジンギス倶楽部最高幹部会3人の、久しぶりの集結であった。
 目的はただひとつ、先週入れなかった新しいジンギスカンの店「ジンギスカン金太郎」を今宵こそ制覇せんがための、鼻息の荒い集結である。
 夜7時40分、全員集合。
「いきますか」「うむっ」
 我々は言葉少なに目的の店「ジンギスカン金太郎」に向かって、ピンクのネオンに脇目もふらず歩いていった。
 7時45分、金太郎に到着。今日はちゃんと営業している。よかった。
 しかし、中を覗くと、なんということか、席は満員。
 あぁ、今日もダメか………。またもや目の前が暗くなる。
 
 最高顧問がつかつかと中に入っていって何やら交渉している。
 どうやら空いたころを見計らってまたくるからと言い残して出てきたらしい。
 しかたがないのでどこかで時間つぶし。
 どこに入ろうか……と悩んでいると、さらに最高顧問がつかつかと近所の牛タン屋さんに入っていった。
 おいおい、これから肉を食べようというのに、その前にまた肉かい!とテレパシーを送るもまったく通じず、店の人が急に他のお客さんをどかして席を作りはじめ、最高顧問は意気揚々と帰ってきて
「入れるって」と得意そう。
 しぶしぶと入ってメニューをみると案の定、牛タン屋だけに肉モノばかり。しかたなく牛タンやテール焼きなどを注文する。
 今年の夏に無人島キャンプに行って、ジンギスカンを食べようと計画している我々は、そこでおおまかな計画を立てているうちに気がつけば9時。
 そろそろいいだろうと、金太郎に席を移すことにした。
 金太郎に行くと、ちょうど最後のお客さんが帰るところで、頃や良し。
 我々は金太郎に突入した。
 メニューラム2人前をみるとジンギスカンが驚きの600円。(これは安い!)
 さっそくジンギスカンとレモンハイを注文。(本当はビールなんだけど、なにしろ前の店でけっこう飲んでしまってお腹がいっぱいになってきていたので)
 店はカウンターのみの12〜3人も入ればいっぱいになってしまう狭さ。カウンターに二人にひとつの割合で七輪が置いてある。小太りのおやじさんとアルバイトの兄ちゃんの二人で切り盛りしている。
 ジンギスカン鍋がちょっと変わった形で、縁が壁のように高くなっている。
 我々が自己紹介すると、おやじさんはお客さんから我々のことを聞いていたらしく、快く話をしてくれた。
 おやじさんの話によると、この店は有名な「さっぽろジンギスカン」のお墨付きをもらった店で、鍋も肉も「さっぽろジンギスカン」の流れを汲むものらしい。
 鍋は盛岡の南部鉄で作ったもの。肉はアイスランドからの輸入。ジンギスカン以外のネコ飯なども「さっぽろジンギスカン」ゆずりとのこと。
「そういえば“東京ジンギスカン”にもこんなのがありましたねぇ」と話すと
「あれは“さっぽろジンギスカン”を真似したんだよ」
とのこと。確かにアイスランド産ラムといい、五穀米(麦、粟など五種類の穀物を入れた健康ご飯)やネコ飯(オカカたっぷりのご飯)といい、メニューが一緒だ。聞いてみなければわからないものである。
 生ラムに多少タレをまぶした肉がやってきた。鍋も十分に熱くなって脂の湯気が立っている。
 さっそく肉を鍋にのせ、幸せの音。へりが高いジンなべ
 
 ジュ〜〜〜〜〜ッという心地いい音とともに、プ〜〜ンと鼻をくすぐる羊のかほり。
 幸せの瞬間である。
 ジンタレに浸け、一口目をぱくり。
 肉自体に微妙な塩味がついてるようで、なんともいえず美味い。
 タレも今まで食べた店のジンタレよりも味に深みがある。
 おやじさんに聞くと、タレにはシナモンや山椒などのスパイスのほかに、いいダシをつかっているとのこと。(どんなダシかを教えてもらったけど、企業秘密になるかもしれないのでここでは明らかにできない)
 この奥深いダシの味もやはり「さっぽろジンギスカン」ゆずりとのことであった。ただ、おやじさんがいうにはやはり本家とは微妙に味が違うとのこと。
 肉をどんどん食べる。この微妙な塩味がなんともいえず、せっかくのタレではあるが漬けなくても十分に美味い。先ほどの店で、ある程度食べてお腹は空いていないのに、ついもう一人前、一人前と頼んでしまう。これで600円は安い。
 野菜はもやしにタマネギ。特殊な鍋なので底ではなかなか焼けないとのことであった。

 ふと壁のメニューをみると、なんと北海道の代表的で貴重な山菜「アイヌネギ」の文字が……。
 もちろんそれも注文する。今がちょうど旬の1人前400円。
 これもまたおやじさんのこだわりがあって、築地の市場のものはどうもかほりが少ないので、北海道から直接取り寄せているとのこと。
 お浸しになって出てくるので、そのまま食べても鍋で焼いてもどちらでも美味い。やはりこだわるだけあって、かほりが強いような気がする。(なぁんていうけど、実はアイヌネギを食べるのは今回で2回目。しかも前に食べたのは3年も前なので味を覚えちゃいない。でも美味いよ。)
 
おやじさんは話好き キムチ、チャンジャなどもあり、ネコ飯(小300円)によく合う。今日はここが2軒目だというのに、それにしてもよく食べた。
 最後に、残ったジンタレにお茶を入れて、そば湯のようにして飲んでみて欲しいというのでさっそく実践。ダシ入りのタレなので、スープとなって美味しく飲めた。もしも行ったらぜひこれもチャレンジしてもらいたい。
 今年の3月にオープンしたばかりの店であるが、お奨めである。
 おやじさん曰く、食事だけで来るお客さんもいるので、気軽に来て欲しいとのことであった。
 
 その夜、美味しい店に出会えた喜びに、さらにもう一軒飲みに行こうということになり、宴は明け方まで続いてしまうのであった。
 次の日、会社で仕事にならなかったのはいうまでもない。(反省)


中目黒「まえだや」遅刻は厳禁訪問記 2000年6月

「ジンギスカン食堂まえだや」に行ってきました。
ジンギス初体験の面々 今回は東京ジンギス倶楽部の倶楽部活動ではなく、会長の会社の同僚達が「一度美味しいジンギスカンというものを食べてみたい」というので、それならばと会社の近くで自信をもってお薦めできる店ということで「まえだや」をチョイス。総勢6人。中にはジンギスカンはもとより、羊肉を食べたことが無いという人が二人もいるので、こちらも気合いが入る。
こぎれいな店内 6人で行くことになったので事前に予約(狭い店内なので、3人以上で一緒に座ろうと思ったら予約しないと無理)。金曜日の7時半という最適の時間に予約ができた。
 会社から車で行ったのだが、思いの外の渋滞に15分ほど遅刻してしまった。
 会長はこれまでに3回ほど行ったことがあり、その度に愛想よく接してくれていた「まえだや」のおかみさんが、今日は遅刻したせいかこちらに愛想がない。

 まずは生ビールで乾杯。そして“ラムロースの網焼き”と“ラムのネギ塩焼き”を注文する。これらは網で焼くので、ジンギスカンよりも先に注文して欲しいとのこと。会社のみんなには“ラムのネギ塩焼き”がことのほか好評。ラムのネギ塩焼きから
 よしよし、舌慣らしはこれくらいにして、いよいよジンギスカンを注文する。この店は野菜が付いて一人前900円。
 肉はかなり厚みのある肉。オーストラリアからの輸入と、以前に来たときに聞いてあったので、それをみんなに自慢そうに披露する。みんな「なるほど!」とうなずいている。良い気分である。
ジンギスカン1人前 その後、幸せの音や食べ方、栄養などについて一通りレクチャーして、(さらに良い気分)さぁ食べようとしたら、お店の人に「あまり焼き過ぎないほうが美味しいですよ」と注意を受けてしまった。どうやらレクチャーが長すぎたようである。
「ほら見ろ!」というみんなの非難の目を浴びながら、「まぁまぁ、食べてみてよ」という一言でみんな一斉に箸を出した。「美味い!」「美味しいですね」「ぜんぜん臭くない」という称賛の声が口々に聞こえてくる。会長の胸は自慢でいよいよ反り返っていく。
 
う〜ん、旨そう! ジンギスカンを初めて食べた人も「また食べたい」というほどに、今回の啓蒙活動は大成功であった。
 我々が居た2時間ほどの間にもお客がひっきりなしにやってくる。座れなくて残念そうに帰っていく人あり、外で待っている人あり、ジンギスカン専門店にしては大繁盛の店である。
 ここのおかみさんが以前アパレル関係の仕事をしていて、その関係でスタイリストの紹介とかでマスコミによく取り上げられているというのもあるかもしれないが、基本的に肉が美味しい。やはりどんなにマスコミに取り上げられても、味が悪ければ淘汰されていってしまう。その点この「まえだや」は今の味が落ちないかぎり安泰ではないだろうか。
 
 この店に3人以上で行くときには、ぜひ予約をして行ってもらいたい(待つ覚悟がある人は別です)。そして、予約した時間に遅れそうなときにはぜひ店に一報することをお薦めする。今回、おかみさんは最後まで我々に愛想がなかった。(苦笑)



思わぬところに「神居古潭」支店発見! 2000年7月

 先日COCO田中さんの東京ジンギス倶楽部の掲示板の書き込みに、都内ジンギスカン屋さんの一覧があった。
 その中に気になる書き込みが。
>神居古潭
>板橋区赤塚2丁目9−8
>03-3939-6930
>中野区中野5丁目55−9
>03-3385-0371 

 なぬ? 板橋区赤塚……?
 赤塚といえば最高顧問と会長の家からすぐそば。しかも中野の「神居古潭」と関係がありそうな……。
 そこで、さっそくその店に電話してみると、やはりあの中野の「神居古潭」の支店だという。しかも中野と違って、一人で行っても大丈夫という返事。
 7月最初のうだるように暑い土曜日、さっそく最高顧問に連絡をとって行くことにした。
 
 我が家で待ち合わせをしたのだが、現れた最高顧問はママチャリの後ろに長女を乗せて、といういでたち。そこで会長もママチャリを引っ張り出し、おじさん二人、商店街の中をママチャリをこいで赤塚に向かった。
 自転車で走ることおよそ10分、東武東上線下赤塚の駅から歩いて2〜3分の赤塚一番通り商店街の中に目指す店を発見。
 
商店街の一角に…… 看板に神居古潭赤塚支店と書いてある。ただ、驚いたことに中野本店のようなジンギスカン専門店ではなく、北海道料理も出す居酒屋風の作りになっている。さらに道路に面した場所では焼き鳥などもお持ち帰り用として売っている。かなり地元に根差した感じの店だ。
 土曜日の夕方7時近く、店内に入ると客は誰もいない。テーブルが3つに7〜8人掛けのカウンターと、全部で22〜3人も入れば満席になってしまうくらいの広さ。店内は有線の80年代初めの歌謡曲が流れ、テレビでは野球中継が。
 これも地元を意識した選択と我々は判断。店内はお持ち帰り用の焼き鳥を黙々と焼いている、最高顧問のお義父さんによく似た人のよさそうなおやじさんと、片言の日本語を操る中国人風のお姉さんの二人で切り盛りしている。店内の様子
 メニューを見るとメインのジンギスカンは上(1000円)と並(700円)の2種類(野菜付き)。いずれも肉はラムとマトンの間のホゲット(「羊と羊肉について」のページ参照)という種類の肉を使っている。上と並の差は羊の部分による……とのこと。
 その他にはハラス焼、ヒズナマス、シマホッケ焼など、居酒屋によくある北海道料理が並んでいる。あとは焼き鳥類など。
 その中で我々はこの店の雰囲気に似付かわしく無い、驚くべきメニューを見つけた。本日のお薦めと書かれてあった壁のお品書きに入っていたその料理とは……、
なんと「エミューのユッケ」!
 エミューってあのオーストラリアに生息する、ダチョウみたいな飛べない大形の鳥……? 我々は顔を見合わせてしまった。
 好奇心旺盛な会長はさっそくそれを注文することにした。我々が最初に注文したのはジンギスカン上2人前、並1人前、それにエミューのユッケ1人前。
カウンターにも七輪が置ける 待つことしばし、その間におやじさんにいろいろ取材を試みる。
 この店ができたのが7年前(我々にしてみたら灯台元暗し!)。肉は北海道産を使用している。一人で来店しても大丈夫だが、炭火で700円ではもうからないので、お一人様の場合はジンギスカンは1.5人前からお願いしている(並だと1050円になる)……などなど。
 店内の壁にはホゲットの説明やら羊肉の効能などがあちこちに貼られている。
 その中に気になる効能書きを発見。なんと羊肉は生殖機能にも絶大なる効果を上げるというのだ。
 どうりでこのところ羊肉を食べる機会が多くなっている最高顧問に、最近3人目の子供が授かった……。それを読んだ最高顧問もハタっと膝を打ったのであった。
 
焼きます! そうこうするうちにジンギスカンがやってきた。肉は上の方がやや赤身がきれい。鍋は穴開きのジンギス鍋。テーブルに七輪を入れる穴があり、そこに七輪を入れて用意。(カウンターにも七輪を入れる穴あり)
 おやじさんは鍋の回りに野菜を敷き詰め、真ん中で肉を焼いてくれというので、そのようにしてみる。野菜はもやし、にんじん、たまねぎ、キャベツ、ピーマン。
 ほどよく焼けた鍋に肉をのせる。
「ジュ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!」
 いつもの幸せの音。生ビールで乾杯。今日は最高気温が30℃を越す真夏日だったので、ことのほかビールが美味い。
 焼けた肉をタレに付けてパクリッ。タレは中野本店と同じ、あっさりさっぱりしたタレに一味をサッと一振り。最高顧問はもうちょっと濃いほうが好みのようだが、これはこれで夏などには良いのではないか。
 上と並を食べ比べてみる。
 さすがに上の方が肉が柔らかいが、味はどちらもそう違いはない。
 ふと見ると最高顧問の長女で東京ジンギス倶楽部ジュニア会員第1号の未有ちゃんが、待ちくたびれたのか一口も食べずにイスの上で寝てしまっていた。
 
 問題の「エミューのユッケ」登場。
 サラダ菜の上に、5ミリ×5センチくらいの短冊状に切られて盛られている。真ん中には卵の黄身。色は赤黒くレバーそっくり。
 黄身をよくかき混ぜて食べてみる。鳥よりは動物系の、一種独特の匂いが鼻を通り抜ける。でも、嫌な匂いではない。例えるならば牛肉と鹿肉の間くらいという感じだろうか。食感は牛肉のユッケをもう少しプニプニさせた感じ。これはこれで珍味である。試しにジン鍋で焼いてみたら、香ばしくてより美味しかった。
 
 ジンギスカンの上をもう2人前ともやしを注文する。最後に神居古潭麺(ヨモギを混ぜた麺。ラーメンのようにして食べる。700円)で〆てみては……とメニューに書いてあったが、とてもそこまで行き着かず満腹になってしまったので、それはまた次回。ここには中野本店のような2人前以上食べると注文できるという、ウニ丼もイクラ丼もない。そこにまた好感が持てる。
 そろそろ帰ろうと未有ちゃんを起こし、ジンギスを食べるか? と聞くと、うんとうなずいてあっという間にタレの中にとっておいた肉をぺろりと食べてしまった。さすがはジュニア会員1号。大変に心強い。
 
 8時半頃、会計をして帰ろうとしたときに、お客は我々のほかにアベック二人だけであった。でも、7年も続く地元に根差した店。心配することは無いだろう。
 自転車で行かれるほど近くに、このような店があったことが嬉しい。もしも近所にお住まいの方は、ぜひ覗いてみて欲しい。東武東上線沿線なので、埼玉方面の方もいかがだろうか。気軽に美味しく食べられる店としてお薦めである。



会長、涙の六本木突撃日記 2000年7月

 6月8日の深夜、東ジン掲示板にこんな書き込みがあった。

>宣伝になってすみません。
>突然ですが、私の勤務先の社長は大の焼肉好きで、
>それがこうじて先月六本木に”サッポロ生肉やジンギスカン”を
>OPENしてしまいました。
>北海道、仙台では名の知れたお店だと聞いています。
>味は確かです。よろしければ一度ご賞味下さい。

 六本木にまでとうとうジンギスカン専門店が進出。
 じ〜〜〜〜んっ(感動の音。顔は上を向き、目には涙)
 六本木というと、会長の勤める会社がある青山からはすぐ目と鼻の先。さっそく偵察に行ってみましょう・・・・・・・・・・・・・・
 と意気込んでから1ヶ月。

 とうとう掲示板に「六本木のジンギス屋を載せないのは、なにか意図があるのか?」
というお叱りの書き込みをいただき、最高顧問にも「会長が怠慢なため」とたしなめられ、(これでもねぇ、会長もけっこう忙しかったんだよね、新橋、赤塚とジンギスを食べ歩いたりして……)
ログハウス風の外観 とうとう7月初旬、会長一人で「さっぽろ生肉やジンギスカン」に行ってきました。
 場所は、瀬里奈の裏の階段道を降りて左側に向かってすぐのところ。白木のログハウス調のウッディな外観。時間は午後7時過ぎ。
 中に入ると内観もやはりログハウス調のウッディな感じで統一されている。まるで新築の山小屋のよう。
排気の煙突がちょっと邪魔 メニューを見ると、ここにもありました。いなきび、ねこまんま、キムチのご飯トリオが。(新橋「金太郎」上野「東京ジンギスカン」にも同じごはんあり)
 ここももしや最近いろいろなところで耳にする、名店と噂の「さっぽろジンギスカン」の流れをくむ店では……。
 
 メニューの中に「ラム刺し」(1日限定5名様。1000円)というのがあったので、今日はあるのかと従業員に聞くと、「大丈夫」という返事。
 そこで「生ラム成吉思汗」一人前(野菜付き800円)と「ラム刺し」(限定という響きに弱い会長であった)、それに生ビール(500円)を注文する。
へり高のジンギスなべ ここも七輪の炭火で焼くシステム。出てきた鍋は、まさに「さっぽろジンギスカン」の直系と自慢していた新橋「金太郎」と同じ、縁の高くなった独特の穴開きジンギス鍋。
 写真を撮っていると従業員が来て「どうして写真を撮るのか?」と聞いてきたので、東ジンの名刺を出し、実は我々の倶楽部の掲示板に……云々。
 と説明すると店長(実は掲示板に書かれていた焼き肉好きの社長)がやってきて、いろいろと話を聞かせてくれた。
 
●自分は北海道出身でジンギスカンが好きだった。
●「さっぽろジンギスカン」に魅せられて、東京でも美味しいジンギスカンを食べさせたくて店を始めた。
●「さっぽろジンギスカン」のおやじとは顔見知りである。
●肉はアイスランドから輸入している本当の生肉。
●都内のいろいろなジンギス屋に行って食べ歩いている。
●もやしはダメ。
●開店は今年の5月。
●営業時間は夕方6時から明け方4時まで。
●けっこう六本木で働いているホステスさんが、仕事帰りに寄ってくれる。(7時台でもサラリーマン風の人などでけっこうにぎわっていたけどね)・・・・・・・・・・・・云々
 社長のジンギスカンに対する並々ならぬ愛情とこだわりがこちらにも伝わってくる。
 
ジンギスカン1人前ラム刺し 話を伺っているうちにジンギスカンとラム刺しが来た。
 肉は厚めのラム肉で、「生」と謳っているだけあって、色がつやつやとしている。
 野菜(といっても玉葱のみ)を鍋にのせ、しばしビールなどを飲みつつ「ラム刺し」を味見してみる。ショウガ醤油で食べて欲しいとのこと。
 初めて食べる「ラム刺し」は癖がなく、ラム臭さもない。強いて言えば、脂ののった馬刺しか……。食べやすいのだが、羊肉好きとしてはもう少し羊臭さが欲しかった。
 
 鍋も焼けてきたので肉を乗せる。
 
「ジュ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ。」
 
 例によって幸せの音。
 焼けたお肉をさっそくタレに浸けて一口。
 美味い!!
 タレは同じ「さっぽろジンギスカン」の流れをくむとはいえ、新橋「金太郎」とはぜんぜん違う、さっぱりしたタレ。(おそらくダシは使っていないとみた)
 肉は「東京ジンギスカン」と同じ、多分プレ・サレ(“羊と羊肉”参照)であろう。かすかな塩味を感じ、タレに浸けなくても十分に美味しい。一人前を瞬く間に食べてもう一人前追加。
 やはりジンギスカンには生ビールがよくあう。グーッと飲んでもう一杯いきたいところだったが、このあとまた仕事があるので、ここは我慢。(辛い)
 
 メニューはこの他に「塩生ホルモン焼」「塩生上ガツ焼」「特上トロタン焼」や変わったところでは「冷麺」などというものもあった。今日は夕飯がてらの偵察として来たので、それはまた次回頼んでみたい。
 好みを言えば、やはりジンギスカンにもやしは欠かせない。こだわりで置いてないようだが、もやしも置いて欲しかった。(しいたけをメニューに載せるのなら、もやしがあって然るべきだよなぁ)
 
 六本木にこういう店が出来てくれたことが嬉しい。まだまだ若い店ではあるが、これからもずーっと続けていって欲しいと願って店をあとにした。
 それにしてもいく先々で聞く「さっぽろジンギスカン」というのは、よほどの名店らしい。(行ったことがある人がこれを読んでいたら、鼻で笑ってるんだろうな)
 われわれ東京ジンギス倶楽部員はまだ誰も行ったことがないが、ジンギス倶楽部を名乗るからには是非とも制覇しなくては、としみじみ思った夜であった。


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