愚痴三昧店主要懺悔! 2002年3月

会長は今悩んでいる。逡巡している。
このホームページの趣旨は広くジンギスカンを世に広めることにある。
ジンギスカン啓蒙の趣旨をもってこの倶楽部を発足させたはずである。

それなのにこんなことを書いていいものかどうか……。

ことの起こりは3月の終わり。
最高顧問や友人達と靖国神社で花見を催し、九段あたりで二次会の場所を探すものの花見シーズンゆえどこに行ってもお店はいっぱい。
そんなときホテル・グランドパレスの向かい側にラーメンと書かれた赤「幟(のぼり)を見つけた。
これはもしかして以前掲示板に紹介されていたジンギスカンを食べさせる店では……。

店を覗くと幸いお客は誰もいない。
お店のママさんに入れるかと聞くと
「土曜日は10時までなんだけど(時計を見ると9時50分)いいでしょう」
というありがたい返事。
さっそくみんなを呼んでお店に繰り込んだ。
店内はカウンターが10席ほどにテーブル席が無理やり8席。
外に4人掛けのテーブルが置いてあるというこぢんまりした雰囲気。

メニューをみると『サッポロクラシック』という北海道限定ビールなども置いてある。
ジンギスカンもメニューにしっかり載っていた。

最高顧問が東京ジンギス倶楽部の名刺を出し、倶楽部の趣旨を口上しはじめたのだが、ママさんは明らかに迷惑そうな表情をするではないか。
「以前もどこかのホームページに紹介されたみたいだけど迷惑なのよね〜」という。
そのHPには、読売新聞にこの店が紹介されたときにのったママの顔写真がそのまま載せられて
(店の看板にも「読売新聞で紹介されました!」と大きく書いてあった)困ってしまうというようなことを愚痴られてしまった。
「分かりました分かりました、紹介なんかしませんよ」と思いつつメニューに目を戻す。

これ+野菜で4000円也。 全員でサッポロクラシック(350ml缶がなんと600円!)を注文し、
当然まずはジンギスカンを頼む。
「うちは2人前単位でお願いしてます。」というので4人前注文。
すると「1人前2,000円ですよ」というので我が耳を疑い
「2人前でじゃないんですか?」と確認すると「1人前です(キッパリ)」
「うちは北海道から最上級のロース肉を取り寄せてるし、2人前で400gもあるから2,000円でも儲けはほとんどないのよね」
なんかイヤないい方だなぁと思っているとあげくに
「クラシックも北海道から直接取り寄せてるから儲からない」……云々。

でも1人前2,000円のジンギスカンなんて食べたことがないので大いに期待が持てる。
高いので注文は2人前に変更したが。
その他にこの店自慢のホッケと小樽ラーメンも注文する。

全員の前にコップと缶ビールが配られ、まずは乾杯。
クラシックはあっさりしていて飲みやすいビールだ。
(それにしても600円で儲けがないということは、飛行機のファーストクラスで運んでくるのだろうか?)

待望のジンギスカンが登場。
カセットコンロがテーブルに置かれ、その上にジンギスカン鍋。
最上級のロース肉は……とお皿を見るとタレがからめてある味付け風。
付けダレも付いてくる。
野菜はキャベツにもやしにカボチャ、ピーマンと定番。

もちろんおいしいはおいしい。だが……。 さっそく幸せの音をたてて焼き、まずはひとくち。

あれ?

最高級のロースを期待していたのに、この味はよく売っている味付けジンギスカンの味。
最高顧問もひとくち食べて首をひねる。

そういえばこの店と同じ名前の味付けジンギスカンが有楽町の「北海道どさんこプラザ」で売ってたっけ。
もしや……いやいや、味付けジンギスカンで2,000円もとるわけはない。
あっちはたしか400gで400円くらいだから、いくらなんでも……。

もうひとくちパクリ……だけど、どうしても・・・・・。

確かにメニューに「生肉」とは書いていない。
味付けジンギスカンだからといって「最上級の〜」が嘘とは言えない。
しかし、騙された気分ではある。

ホッケと小樽ラーメン登場。
ホッケは肉厚で大きくて脂も乗っており、とても美味しかった。
ただホッケに絶対に醤油はかけてはいけないらしい。
(醤油をかけたいと駄々をこねた友人はやんわりと叱られた)
ラーメンだけの客はお断りしているらしい。
(でも看板にラーメンと目立つように幟がかかっているので勘違いしてくる客も多そう)

ママさんの自慢と愚痴、それにこのジンギスカンの値段に我々はだんだん腹が立ってくる。
ラーメンも小樽から直接仕入れているらしく、小樽ラーメンと書かれた乾めんの箱が店の横に積まれていた。
ラーメンの味は……イライラしていたせいかあまり覚えていない。

1時間ほどで気分悪くその店を出た。

たとえクラシックが600円でも納得して頼んでいるのだから言い訳めいた愚痴は勘弁してもらいたい。
ジンギスカンが2,000円でもいいけど誤解を招く表現はしないでもらいたい。
たまたま閉店間際の客でママさんの機嫌が悪かったのかもしれないが、
(だったら断ってくれたほうがどれだけいいか)
客の気分を悪くしないでもらいたい。

ジンギスカンを置いてくれている貴重な店ではあるが、我々は二度とこの店には足を踏み入れないであろうと強く思いつつ店を後にしたのだった。


お店外観花見転じてカムイ亭オフ 2002年4月

 東京ジンギス倶楽部と花見というのはどうも相性が悪いのだろうか?

 前回企画した花見(2000年4月)は参加者が誰も現れず、今回企画した第2回花見オフは参加希望は多かったものの火を使える会場がなかなか決まらないでモタモタしているうちに桜の開花が例年よりも2週間も早まったこともあって、参加希望の人たちもしびれをきらしてそれぞれの花見の企画に移ってしまい参加人数が激減。
 あげくの果てには花見催行前日の大雨でついに花見オフは中止。
 しかし、わずかに残っていた花見オフ参加希望の人たちにもうしわけないと最近東陽町の方にオープンしたというジンギスカン専門店『カムイ亭』にて午後5時からオフ会を開くことになった。

 明け方まで降っていた雨も上がり、午後からは絶好の花見日和に。
 電車で行くには不便な場所ということで、最高顧問と会長は車で向かった。
「こんな天気になるのなら花見オフができたね」
「でも参加人数が少ないからなぁ……」
店内1  などといいながら店に近づいたところで時計を見ると時間はすでに集合時間の午後5時。
 前回の初オフ会に続いてまたもや遅刻の会長と最高顧問であった。

 慌てて店に駆け込むと横浜から駆けつけてくれたBUNさんがすでに待ちくたびれていた。
 あと、来る予定なのはおさるさんとはぎさん。
 しかしほどなくはぎさんから連絡があり、体調不良で来られないとのこと。
 総勢4人の寂しいオフ会。

 このカムイ亭のことは掲示板の情報で知ったのだが、店長さんに詳しく聞くと、去年の9月にこの地にオープンして、駅から遠いものの(地下鉄東西線東陽町駅から歩いて正味12〜3分)地元の人にも愛され、リピーターも多くけっこう繁盛しているとのこと。
 都内では貴重なジンギスカン専門店だけに、繁盛しているというのはこちらも嬉しい。
店内2
 おさるさんが遅れそうなので、先に三人で料理をオーダーする。
 メニューはジンギスカンが『ロールスライス』¥800、『生ラム付けダレ焼き』¥680、『ジンギスカンハーブ焼き』¥800、それにこの3種類が一度に楽しめる『ジンギスカン三種盛り』¥950。いずれも1人前200gというボリューム。
 なぜか我々としては一番馴染みが深くて安いはずのロールラムよりも生ラムの方が安いというのが不思議でならない。
 店長さんによると生ラムはサービス価格になっているとのこと。
(ということは、生ラムを注文したほうがお徳感があるということですね)
 野菜焼きは別注文になっていた。
 肉はジンギスカンオンリーという直球勝負が頼もしい。
 
 その他のメニューとしては『青菜ハーブサラダ』¥550、『トマトサラダ』¥300、『麦とろセット(お新香・生卵・みそ汁付き)』¥650など。
(値段は2002年3月30日)
生肉ハーブ焼きロール肉
 おさるさんが来るまでちびちびやっていようと、生ビール、それに三種盛りと生ラムとハーブ焼きを注文する。
 ハーブ焼きは生ラムに粕漬けにハーブが練り込まれているような(実際は粕漬けじゃないんだけど)感じのものが塗り付けてありレモン汁を付けて食べて欲しいとのこと。

 さっそくハーブから食べてみる。
 レモン汁の酸味とハーブの香りがよくあって焼き肉のタン塩感覚でさっぱりとしていくらでも食べられそう。
女性に受けそうなジンギスカンだ。

 次に味付けを食べてみる。
 なかなか美味い!
 タレはまだ改良の余地があると店長は謙遜していたが、フルーティで酸味も押さえられていて、けっこうな美味しさだ。
 これで¥680はかなりお値打ちである。

 そこへおさるさんが登場。
 なんと奥さん同伴で来てくれた。
 これで当初の予定通り総勢5人とオフ会も活気づいてきた。
 肉や野菜、ビールをどんどん追加する。

 ロールラムは一番癖があるが、羊好きならこのくらいの匂いはあったほうがいい。(といっても多少ラムの香りが強い程度で思った以上に上品)
 おさるさんは「久しぶりのロールラムで北海道を思いだした」と感慨深げにつぶやいていた。
 おさるさんの奥さんはハーブ焼きが気に入ったようだ。

 気がつけば店内は満員。
 待ってもらうお客さんまで出るほどの盛況ぶり。

 店長がサービスにと白菜のお新香を出してくれた。
 これがダシが効いていてまた美味い。
 白いご飯が欲しくなる。

 ジンギスカンをしこたま食べてお腹もいっぱい。
 すでに時計は8時をまわっている。
 大満足で店を出た。

 外は桜の花びらが春の到来を喜ぶようにチラホラと舞って風情も最高。
 わざわざ来てくれたBUNさん、おさるさん夫妻に感謝。

 店長は支店を出すことを考えているというので、ぜひもうちょっと来やすい場所にと無理なお願いをしてきた。
今度は車で来られるように駐車場ももてるもう少し郊外に出店したいそうだ。

一日も早く実現することを願って、店長に挨拶をして解散した。

 ちょっと不便な場所ではあるが、ぜひ寄ってほしい店が増えて嬉しいオフ会であった。


ワールドカップとジンギスカン 2002年6月

 とうとう待ちに待ったワールドカップがやって来た。
今回サッカー好きでもある東ジン幹部一同が手に入れたチケットは、会長が11試合、lamuo男爵が8試合、最高顧問が5試合(全て日本戦3試合を含む)というなかなかのもの。

 5月31日、韓国ソウルワールドカップ競技場で行われたオープニングマッチ、フランスVSセネガルでフランスが破れるという波乱の幕開けとなったワールドカップの熱気は、日本海を隔てた新潟を、いや全国を包み込みはじめていた。

 6月1日新潟。
 その姿が羽を広げた白鳥に見えるというところから“ビック・スワン”と名付けられた新潟総合運動競技場はとても美しい競技場である。
 ここで本日行われるマッチナンバー2、午後3時30分キックオフのカメルーンVSアイルランドが日本でのワールドカップの開幕試合であった。
 そしてその歴史的な開幕試合のカメルーン応援団が陣取るゴール裏に、会長とlamuo男爵の姿があった。
 
 前日あまりの気持ちの高ぶりに一睡もできずに車で新潟にやってきた会長とlamuo男爵。朝10時頃新潟に着き、試合までの時間つぶしに駅前をうろつくと、そこはまるでここがアイルランドかと間違えそうになるほどのアイルランドサポーターが……。
 あっちを見てもこっちを見ても、緑のアイルランドのユニフォームを着た大男達が街を闊歩している。根拠のないフーリガン報道に恐れをなし、出歩く市民が少ないせいもあってか緑の大男達がより多く感じられる。おそらくこれだけのアイルランド人が一度に新潟に押し掛けたのは有史以来初めてのことだろう。
 駅前で新潟名物のへぎそばを食べて外に出ると、駅前の広場はアイルランド人に占拠されていた。その数およそ1000人。
 応援歌を唄う彼らを見ていると、ワールドカップ気分が盛り上がってくる。
 シャトルバスで競技場に着くと緑の軍団はさらに大きくふくれあがっていた。後の発表によるとその数はおよそ5000人だったらしい。
 会場内のトイレでジョホールバルやフランスワールドカップでお会いしたK氏と偶然ばったり会う。お互いサッカー好きとはいえ、重要な試合ではいつもばったり会うことに驚く。
 
 会長たちの席はカメルーン側のゴール裏。数少ないカメルーン応援団が打ち鳴らす単調な太鼓のリズムに、徹夜明けの会長はついウトウトとなる。
 しかし、試合自体は開幕戦の緊張感に包まれた好ゲーム。
 アイルランドサポーターの応援が凄い。親善試合と違う緊張感を漂わせつつ、ワールドカップで自国を応援できる喜びに満ちあふれ誰その応援で、会場内はまさに「ワールドカップ」の雰囲気に溢れている。
 ただ、会場内には空席がチラホラと目立つ。必死になってチケットを取った身としては納得がいかない。
 
 ワールドカップ初戦の試合というのは両チームともまず相手の様子を見て、失点しないことを考えるので守備的で退屈な試合になることが多いのだが、この試合は攻めるカメルーンに対してカウンターを狙うアイルランドという展開で観ていて面白い。
 会場内の日本人は今大会前に遅刻事件で話題になったカメルーンを応援している人が多い感じだ。
 前半39分右側を切れ込んだエトーがディフェンスとキーパーを引きつけて折り返すと、かつて『浪花の黒豹』と呼ばれたエムボマがワールドカップの日本で最初の得点となるゴールを左足で冷静に決めて前半はカメルーン1点リードで終了。エムボマはかかとを痛めているという報道通り、動きが悪かったのだが、ここ1番で得点を取るところはさすがだ。
 
 1点リードしているためにカメルーン応援団の威勢が良く、ハーフタイムにも太鼓のリズムで踊り続けている。そこにダンス隊との記念撮影を求める日本人達が群がって、お祭り気分も盛り上がる。
 
 後半のキックオフ。
 まず最初にチャンスを迎えたのはリードしているカメルーン。
 後半6分、右サイドバックのジェレミがアイルランドのバックスの不用意なプレーを見逃さずボールを奪うとキーパーと一対一になってシュート。だがわずかにゴール左にはずれる。
 頭を抱えるジェレミ。
 その直後、アイルランドキーパーのシェイ・ギブンがジェレミがまだ戻りきれていないのを見て、素早く左サイドのギルバーンにロングキック。
 ギルバーンがゴール前にアーリークロスを入れるもののカメルーンのバックスがヘッドでクリア。しかしクリアが小さく、マット・ホランドの前に転がる。ホランドがすかさず30Mのミドルシュートを放つと、ボールはグラウンダーでゴール左隅に吸い込まれていった。
 その瞬間、カメルーン応援団の太鼓の音がピタッと止まった。
 沸き返るアイルランド応援席。
 ゲームは俄然アイルランドペースになっていった。
 攻めるアイルランドと必死に守るカメルーン。
 後半23分には動きの悪いエムボマに替えてスフォを投入し、カメルーンはなんとか流れを変えようとする。
 しかし大応援団に後押しされたアイルランドの勢いは止まらない。
 カメルーンもときおりカウンターを出すが、その攻撃は散発でシュートも枠をはずれる。

 日本の蒸し暑い気候のせいか後半35分を過ぎた辺りから両チームの動きが極端に悪くなってきた。後半38分にはロビー・キーンのシュートがゴールポストにあたるという不運も有り、アイルランド優勢に試合を進めながらも試合は1−1のドローで終了。
 
 この試合の主審を務めたのが日本人の上川徹さん。ゲームの流れを停めることなく、荒れることもなく、よくゲームをコントロールした笛を吹いていた。ぜひこのワールドカップでもう一度笛を吹いてもらいたいと思う。
 
 スタジアムを出てシャトルバスに乗り新潟駅まで帰る。
 去年のコンフェデレーション・カップの時にはスタッフの手際の悪さで大混雑していたのだが、このワールドカップではその教訓が生きたのかスムーズに駅にたどり着いた。
 車に戻り、駅のそばのダイエーで買い出しをして海岸でジンギスカン・キャンプをすることにする。
 街中もダイエーも緑のユニフォームを着たアイルランド人で溢れている。みんな今日の引き分けに満足そうだ。
 通りを歩いているアイルランド・サポーターにパ・パ・パパパー・パパパパとクラクションを鳴らすと嬉しそうにこちらに向かって「アイルランド!」と叫んで両手をあげる。まさに街中はワールドカップの雰囲気に溢れている。
 
 海岸に到着。時刻は7時をまわり、あたりはすっかり暗くなっている。
 さっそくテントを張り、七輪に火を起こしジンギスカンの準備を始める。
 今回の肉は冷凍ラムロール。最高顧問が自宅の近所の肉屋で買ったものの、あまり美味しくなかったからといって譲ってくれた肉だ。ジンタレは「ソラチのタレ」。
 七輪にジン鎬をのせ、ラードを塗る。いい感じで煙が上がってきたところで肉をのせる。
 
「ジュ〜〜〜〜〜〜〜〜」

 海岸に響き渡る幸せの音。
 冷凍ラムロールはじゃっかん鎬にこびりつきながら水分を滴らせて焼けていく。
 ジンタレにつけてまずは一口。
 口中にラム特有のにおいがワッと拡がる。冷凍ラムロールなだけにそのにおいも強烈だ。最近は上品なチルドラムばかり食べていたので、口に含んだ途端強烈なパンチを浴びたような気持ちになる。しかし、これはこれで懐かしく、けっして嫌な感触ではない。
 男爵は「おれはやっぱりこういうにおいの肉の方が好きだ」といってもりもりと肉をたいらげていく。会長も負けじと肉を頬張る。
 どうも冷凍ラムロールにはいつものベルのオレンジラベルよりも、酸味が少なくややフルーティな甘味が強いソラチのタレの方が合うような気がする。
 この肉を「まずい」と称する最高顧問は、最近ちょっと口が奢りすぎたのではないかなどと二人でいいながら、600gの肉はあっという間に無くなってしまった。
 
 男爵と二人酒を酌み交わしながら、今日の試合、そしてこれから観ていく試合の期待を語り合う。いつのまにか時刻は1時をまわっていた。もう何時間寝ていないのだろう。明日は夜6時から埼玉スタジアムでスウェーデン対イングランドの試合観戦。朝9時にはキャンプを撤収して東京に戻らなければいけない。しかし、興奮で眠れない二人はいつまでも語りあうのであった。


師走の浦和で忘年オフ会 2002年12月

 12月に入り、せわしい気持ちになり始めた頃、BBSに満腹大人さんの書き込みが入った。

「ジン鍋購入後、家族が寝てから一人家ジンギスをするようになりましたが、
やはり愛好者大勢で食べるジンギスの方が美味しいですよね。
忘年会シーズンですねぇ.......
OFF会久しくやってませんねぇ....」

 なんとも哀愁を誘う独白である。
 会長そして私も人見知りで基本的にはオフ会に及び腰である。
 しかし最近東ジンのBBSを引っ張ってくれている満腹さんのわびしい近況を聞かされてはだんまりを決め込んでもいられない。
 ようし、いっちょやるか、忘年会オフ!

 まずは場所だが、立川のジーコが気になってはいたものの、タイミング良く浦和駅近くに新店オープンの報が入ってきていた。
 報告者はZENさん。その書き込みが実に素晴らしかった。
 店構えから店のコンセプト、メニューの詳細はもちろんのこと、マスターの人柄や奥さんは美人だという裏情報まで、実に詳細なレポートを寄せてくれたのだ。
 あまりに完璧なレポートに感激してしまった。ようし、東京ではないがここでやろう!

 提案に乗ってきたのは約10名。
 満腹さんはもとより、最近BBSをにぎわしてくれている羊喰いさんや価さんが次々と参加表明してくれた。

 数日たって、東ジンあてに一通のメールが入った。発信人は北海道新聞の記者である。
いわく、来年は未年。羊にちなんで新年の紙面でジンギスカン特集を組みたい。その中で北海道以外の地でどんな風にジンギスカンが食べられているのかを紹介したいのだが、東ジンの活動はまさにそのテーマにぴったり、オフ会の様子をぜひ取材させて頂きたいというものだった。
 う〜む、地方紙とはいえ、北海道では読売新聞よりメジャーな北海道新聞、通称は「道新」に掲載されるとあってはますます頑張らなくてはと気合いが入る。
ジンギスカン外観
 そして当日。いそいそと浦和方面へと向かった。
 店は浦和駅裏手の路地を入ったところ。店構えはZENさんの報告通りオシャレで今風だ。
 店にはいると満員御礼状態。忘年会シーズンとはいえ、うれしい盛況だ。「東ジンの者です」というと奥に通された。そしてまずは8人が顔を揃えたのである。はじめての方が3人。価さん、羊喰いさん、NORIさん。

 お初の方々とあいさつを交わしつつジュ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!

お肉とナベのようす 肉は松尾ジンギスカン直送の味付け。ナベも松尾オリジナルだ。
 色々世間話をしつつ肉を焼く。う〜ん、うまい。うまいがうっかりしているとすぐに焦げ付く。
 筆者最高顧問は生粋の後付け派なので味付け肉の焼き方に関しては自信がない。
 マスターが「未熟者が!」という気配でナベを取り替えてくれる。
うぅぅ、ごめんなさい・・・素人なもんで・・・

 1時間ほど過ぎた頃、会長が息せき切って駆けつけた。
 会長はああは見えてもオシャレなファッション雑誌の主任デザイナー。年の瀬は出版界の年末進行のあおりを受けて大忙しなのだ。
 はじめは参加不可能ということだったのだが、取材が入ると聞き、仕事を抜け出してはせ参じてくれたのだ。
 ついで道新の鈴木記者が登場。メールの文面のイメージ通り(?)キリッとした若手女性記者だった。
 会長、東京生まれのハギさん、満腹さんなどが次々と取材を受ける。
 会長は1人だけの写真も撮られ、ついで皆でジンギスに箸をのばす図も撮影されて取材は一通り終了。
取材を受ける会長 聞くと鈴木記者は東京生まれで、まだ札幌在住4年くらいだという。ビールを一杯飲んでそそくさと帰っていった。
 もっと一緒に飲んでほしい気もしたが、恰幅のいいオヤジ連中がわしわしとジンギスを頬ばる姿におそれをなしたのだろう。
 会長も取材を終えて責務を果たし、仕事へと戻っていった。

最後にお店の前で 肉をずいぶんとおかわりしてビールもたらふく飲んで11時過ぎ、お店を後にする。
 お店の構えや内装は品が良く、マスターはじめお店の方は気さくでアットホームな雰囲気。
 浦和方面のジンギス好きはうらやましい! ZENさんありがとう! と言いつつ駅ホームで解散。
 最高顧問にとっては、充実したジンギス納めとなったのであった。

 年も明け、件の新聞記事が最高顧問の所へ送られてきた。
 皆でジンギス鍋に箸をのばす写真が大きく掲載されている。
 しかし、写真の中央に写っているのはお店のマスター。
 会長の写真は割愛。
「当初7回の連載予定だったのですが、都合で5回に短縮されてしまいました。それで東ジンさんの記事も予定より小さい扱いになってしまい申し訳ありませんでした。」
鈴木記者の一文で合点がいった。

 会長の決死の参加は報われないものとなったが、会長の男ぶりによってボツにされたのではないことを祈るばかりである。(記/最高顧問 霜野)



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